最終更新日:2025年9月23日
モバイルバッテリーの寿命
最近、手持ちのモバイルバッテリーが次々と不調になりました。
あるものはまったく充電できず、また別のものは容量が大幅に減ってしまい、まともに使えない状態です。

状況を確認すると、どちらのバッテリーもケースが変形していました。
見た目では気づきにくいのですが、手で触るとバッテリーの膨らみがはっきりとわかります。
変形したリチウムイオンバッテリーはリチウムイオンバッテリーの寿命と判断しなくてはいけません。
リチウムイオンバッテリーは300回から500回の充電が可能と言われていますが、実際は100回も充電していない使用状況です。
リチウムイオンバッテリーの寿命は製品によって大きく違いがあるように感じています。
不便なので急いで代替品を探すことになりました。
ただ、これまで使ってきたリチウムイオンバッテリーの寿命と安全性に疑問を感じていたため、次は「長寿命」で「安全性が高い」製品を選ぶことにしました。
この条件をクリアしたのは「エレコム モバイルバッテリー EC-C27LBK」です。
ナトリウムイオンバッテリーという聞き慣れないバッテリーを採用した世界初のモバイルバッテリーです。
ナトリウムイオンバッテリーは、使用できる温度特性がとても広く、安全性の高いバッテリーなので飛行機内持込が可能になっています。
常に携帯するモバイルバッテリーには安全性を追求したいので「ナトリウムイオンバッテリー」を採用したモバイルバッテリーを購入することにしました。
【お詫び】ナトリウムイオンバッテリー製品は品薄の為、EC-C27LBKの代替としてDE-C55L-9000のリンクを掲載しています。
安全で長寿命のナトリウムイオンバッテリー

高い安全性が特徴のナトリウムイオンバッテリーを採用した「エレコム モバイルバッテリー EC-C27LBK」ですが、安全性の他にも長寿命であることも大きな特徴です。
圧倒的な5,000サイクルの充電回数はナトリウムイオンバッテリーの大きなメリットです。
「EC-C27LBK」のメーカーであるエレコムの公式ページをベースに紹介します。
ナトリウムイオンバッテリー「EC-C27LBK」の特徴

・ナトリウムイオンバッテリーは5,000サイクルの充電が可能
5,000サイクルだと毎日充電しても10年以上使う事ができる計算です。(驚異的!)
リチウムイオンバッテリーが500サイクルくらいなので10倍の耐久力です。
・バッテリー容量は9,000mAhで、スマートフォンを2回満充電できないくらいの容量
9,000mAhの容量とは、iPhone16なら1.4回分の充電回数です。
45Wの急速充電に対応しているので、短時間にスマートフォンやパソコンを充電することができます。
・使い切った「EC-C27LBK」を満充電するには約2時間を必要
30W急速充電時の最短充電時間です。
接続した機器を放電しながらモバイルバッテリーを充電することも可能になっているのは便利です。
・放電時の使用温度範囲は-35℃〜50℃という幅広い温度域で使える
特に低温時に強いことが特徴で、同社リチウムイオンバッテリーでは0〜40℃の仕様ですから圧倒的優位点です。
ただし充電する場合はナトリウムイオンバッテリーも0〜40℃での温度範囲となっています。
・「EC-C27LBK」は直販サイトでも6,490円と安価に販売されている
エレコムのナトリウムイオンバッテリーを採用したモバイルバッテリーですが種類があります。
直販サイトで「DE-C55L-9000」は10,000円程度で販売されていますが、「EC-C27LBK」の場合はほぼ同じ商品で6,500円程度と安く販売されていますのでお買い得です。
違いは同梱品で「DE-C55L-9000」にはUSBタイプCケーブルが付属していますが、価格差を考えるとバッテリーのみで販売されている「EC-C27LBK」がお得です。
具体的に同価格帯のエレコム製モバイルバッテリーとの比較が下の表です
【ナトリウムイオン】 モバイルバッテリー EC-C27LBK | 【リチウムイオン】 モバイルバッテリー DE-C70L-10000BK | |
電池定格容量 | 3.0V/9000mAh 27.0Wh | 3.7V/10000mAh 37.0Wh |
外形寸法 | W87mm D31mm H106mm | W58mm D26.5mm H81.5mm |
重量 | 約350g | 約190g |
くり返し使用回数 | 5,000回 | 500回 |
使用温度範囲 | 【放電時】-35℃~50℃ 【充電時】0℃~40℃ | 仕様に記載なし |
定格出力 | 【USB-C】 5V /9V/ 12V/ 15V/ 20V 3A/ 3A/ 3A/ 3A/2.25A 【USB-A】 5V/ 9V/ 12V 3A/ 2A/ 1.5A | 【USB-C】 5V/ 9V/ 12V/ 15V/20V 3A/ 3A/ 2.5A/ 2A/ 1.5A 【2ポート同時使用時】 5V 3A |
定格入力 USB-Cポートのみ充電可能 | 5V/ 9V/ 12V/ 15V/ 20V 3A/ 3A/ 2.5A/ 2A/ 1.5A | 5V/ 9V/ 12V/ 15V/ 20V 3A/ 3A/ 2.5A/ 2A/ 1.5A |
充電時間 | 約2時間 ※出力側未接続時 | 約2時間 |
販売価格 (直販サイト) | 6,490円(税込) | 6,280円(税込) |
ナトリウムイオンバッテリーのデメリット
良いことばかりに思える「ナトリウムイオンバッテリー」ですが欠点もあります。
ナトリウムイオンバッテリーはリチウムイオンバッテリーほどエネルギー密度が高くないので、容量の割に重量が重いです。
常に携帯するモバイルバッテリーでは無視できない性能で、エレコムの「EC-C27LBK」も重量は390gと9,000mAhのモバイルバッテリーとしては比較的重い製品となっています。
同じエレコム製でリチウムイオンバッテリーを採用しているモバイルバッテリー「DE-C70L-10000BK」では190gの重量で10,000mAhの容量を実現しているので、ナトリウムイオンバッテリーの約半分の重量です。
390gという重さはブラックコーヒーのボトル缶と同じくらいですこし重め。
あと100gくらい軽いと携帯するのも快適なので、ナトリウムイオンバッテリーのさらなる高性能化に期待したいところですね。
リチウムイオンバッテリーの注意点
今回のモバイルバッテリー購入でリチウムイオンバッテリーを選択しなかった理由ですが、「日本のキビシイ夏でも安心して使えるモバイルバッテリー」が欲しかったからです。
というのもリチウムイオンバッテリーが発火した事案が多発しているためで、昨今の暑い夏に耐えられない製品があるようです。
特に使用を重ねて劣化してきたバッテリーであればどうしてもリスクは上がります。
リチウムイオンバッテリーは高いエネルギー密度で高性能なのですが、取り扱いに関してはとても注意が必要なバッテリーです。
気をつけたいのは落下や破損でバッテリーに損傷が及んだとき。
そのほか高温状態で充電や放電をする場合はバッテリーへの負担が大きくなり、発火や爆発など思わぬトラブルに遭遇する可能性があります。
リチウムイオンバッテリーの安全対策について
そのためリチウムイオンバッテリーは安全に使うための対策がしっかりと施されています。
バッテリーそのものの保護はもちろんですが、充電回路にも安全装置が組み込まれています。
これ以上充電すると危険であると判断した場合はリチウムイオンバッテリーに制限、あるいは充電することができなくなります。
日常での点検も重要です。
バッテリーの膨張や充電に異常が見られる場合は使用を中断した方が良いでしょう。
ナトリウムイオンバッテリーはリチウムイオンバッテリーよりも安全性を重視した性能をもっていますので、リチウムイオンバッテリーを使うことに不安を感じている方におすすめできる製品と言えるでしょう。
リチウムイオンバッテリーとナトリウムイオンバッテリーの違い
ここ最近ではモバイルバッテリーに採用されているバッテリーに選択肢が増えてきました。
前述したリチウムイオンバッテリーの発火・爆発事故が報道されるにつれて、安全性がより重視されるようになってきたからでしょう。
そんな中で新しいバッテリーを採用したモバイルバッテリーも登場しています。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LFPバッテリー)
たとえば「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」は大容量なモバイルバッテリーに採用が進んでいます。
バッテリーの(正)電極にリン酸鉄リチウムを採用しているので温度耐性や電池特性が向上しています。
原材料にはリン・鉄・リチウムと価格が安定した材料を採用しているのもメリットです。
充電サイクルはリチウムイオンバッテリー比で2〜4倍とされており、自己放電率がとても少ない特性から「大きく電気を貯める用途」に向いているバッテリーです。
熱暴走しにくい特性から安全性も高いのですが、エネルギー密度が低いことや高価格であることが今後の課題となっています。
電気自動車用バッテリーとしては中国BYDやトヨタ自動車が搭載を進めています。
準固体バッテリー
「準固体バッテリー」と呼ばれているモバイルバッテリーも登場しています。
電解質に液状ではなくゲル状の半固体を使うことでリチウムの結晶化を抑制、液漏れやショートを発生しにくくして発火・爆発のリスクを低減します。
充電サイクルについても2,000サイクル程度と長寿命で、動作温度もリチウムイオンバッテリーより優れています。
モバイルバッテリーでは少しずつ採用が増えてくるでしょう。
ナトリウムイオンバッテリーと同じような特性を持つため、どちらを購入するか迷いましたが、個人的にはより長く使う事ができる充電回数と今後の発展を期待してナトリウムイオンバッテリーを選択しました。
ナトリウムイオンバッテリー
ナトリウムイオンバッテリーはまだ発展途上ですが、エレコムの「EC-C27LBK」はその技術を実用レベルに引き上げた、世界初のモバイルバッテリーです。
圧倒的な充電回数と幅広い使用温度範囲はモバイルバッテリーとしてとても魅力的な製品で、原材料もナトリウムという幅広く利用されている素材を使うので今後の発展が期待できると思われます。
9,000mAhという必要十分な容量、ノートパソコンも充電も可能な45W出力とモバイルバッテリーとしては必要十分な性能を持っていること。
リチウムイオンバッテリーの安全性に不安を感じていた私には、ナトリウムイオンバッテリーの安全性と5,000サイクルの充電回数はとても信頼できる材料なので購入を即決しました。
今回モバイルバッテリーを新たに購入した理由はリチウムイオンバッテリーの膨張が原因です。
想定していたより早く寿命を迎えてしまったことから、選定には「より長く」「より安全に」使えることを最も重視して選んでいます。
数多くのモバイルバッテリーが発売されている中、2025年現在では安全に長く使う事ができるモバイルバッテリーのひとつです。
使ってみてわかったEC-C27LBKの性能

9,000mAhの容量と高速充電の恩恵
「ナトリウムイオンバッテリー EC-C27LBK」を実際に使ってみた感想ですが、第一印象は「性能に偽りなし」でした。
充電速度も高速充電に対応している機器に対してはしっかりと高出力で充電されますし、容量についても9,000mAhに近い容量があるようです。
安価なモバイルバッテリーでは容量の詐称は当たり前だったので嬉しく思います。
わかりやすかったのがノートパソコンへの充電です。
9,000mAhの容量ではノートパソコンを満充電にすることはできませんが、ノートパソコンを使いながら充電してもバッテリーの容量を1/4程度回復することができます。
もう少し作業したいという要望にもしっかりと応えてくれる性能はとても信頼できるものです。
私がつかっているスマートフォン(Pixel8 4,600mAh)であれば満充電しても半分程度の余力を残しますので9,000mAhの容量に嘘偽りはないでしょう。
保護機能が優秀なので安心して使える
さらに信頼できると思ったのはノートパソコンを急速充電した後のことです。
モバイルバッテリーをすぐに充電しようと思い、USB急速充電器に接続しましたが充電することができませんでした。
急速に放電した後だったので、モバイルバッテリー自体に熱を持っていたため安全装置が作動したのでしょう。しばらく放置してから再充電したところ充電することができました。
エレコムの安全に対する思いを感じることができたので、よりいっそうナトリウムイオンバッテリー EC-C27LBKは安心して使う事ができると実感できました。
モバイルバッテリーの充電には時間がかかることから寝ている間に済ませます。
こんな時に発火しようものなら命に関わりますから、安全装置は過剰なくらいが安心できるのです。
もちろん高速充電にも対応しているので、お出かけ前の充電にも対応可能です。
350gという本体重量は携帯には重い
持ち運びで一番気になったのは350gの本体重量。
リチウムイオンバッテリーからの代替品として選ぶと一番気になるポイントです。
常時携帯するには重たいと感じる重量なので今後の高性能化に期待したいところ。
携帯用に5,000mAh程度で軽量なモデルがあればとも思いますが、ノートパソコンも充電できるモバイルバッテリーとしては10,000mAh前後の容量は必須条件だったのでしょう。
9,000mAhという容量設定には軽量化へのメーカーの苦悩を感じました。
とはいえ、ノートパソコンを持ち歩くバッグに突っ込んだ場合は「こんなものかな」という重量感覚なので、タブレットやノートパソコンを持ち歩く人なら十分に許容範囲だと思います。
手を滑らせやすいのは本体デザインと材質の問題

角を落として丸みをもたせた本体デザインは持ちやすいですが、滑らかな本体表面はバッグから取り出す時に手を滑らせて落としそうになります。
モバイルバッテリーは絶対に落としたくないので、本体表面には滑り止め加工が欲しかったところ。
表面にもう少しだけ摩擦があれば滑りにくくなると思いますので、後継機種にはぜひ採用してほしいところですね。
バッテリー残量は4個の青色LEDで表示するタイプです。
残量表示については不満はありませんが、充電時には別にLEDを付けてほしいと感じました。
特に充電速度については電圧毎にグラデーションで変化してくれるとわかりやすくて便利かな。(充電電圧が上がると赤⇒白になるとか)
間違えて低速ポートに接続していて、出発時にバッテリーがフルになっていなかった経験があります。
高速充電は相互の規格が合わないと成立しないので、素人目でもわかりやすくしてほしいですね。
売り切れ必至!「EC-C27LBK」は在庫があれば買い
ナトリウムイオンバッテリーを採用したエレコム「EC-C27LBK」はモバイルバッテリーとしては少し価格が高めの印象がありますが、充電サイクル5,000サイクルは圧倒的に高耐久です。
長く使えることを考えると価格差は許容できます。
劣化したリチウムイオンバッテリーの事故が相次いでいるので、エレコムのナトリウムイオンバッテリーを採用した「EC-C27LBK」と「DE-C55L-9000」は入荷待ちの状態が続いています。
とくに「EC-C27LBK」はUSB-Cケーブルが付属していない分安価に販売されているので入手は難しいかもしれません。
「在庫有り」で販売されていたらすぐに購入するのをおすすめします。
私の場合は注文から1週間程度で手に入れることができました。
過去に購入したモバイルバッテリーがすぐに使えなくなってしまった経験があるのなら、今度は安全で高性能なモバイルバッテリーを購入しましょう。
エレコム製のナトリウムイオンバッテリーを採用した「EC-C27LBK」の紹介でした。