ロボット掃除機の価格はどんどん安くなりましたね。
不在時に自宅を掃除してくれるロボット掃除機は時短アイテムとして注目されている商品ですが、その性能によって価格が大きく違っています。
ロボット掃除機の有名ブランドとしては
「アイロボット社 ルンバ」を真っ先に思い出す方が多いのではないでしょうか。
ロボット掃除機といえば「ルンバ」、「ルンバ」といえばロボット掃除機。
それくらいに知名度のある製品だと思います。
私のまわりでも実際にルンバを使用されている方がいらっしゃいまして、その便利さにみなさんとても満足しているご様子。
そんな圧倒的シェアの「ルンバ」シリーズ。
そのラインナップを見てみると、上は10万円を超える価格から、下は4万円を切る価格と価格の幅が大きく違っていますが、基本的には高額商品です。
ロボット掃除機を検討している多くの人が気にすること。
それは、「この投資金額に見合った性能を有しているのか?」です。
ロボット掃除機の購入を検討されている方の一番気になるポイントがこれだと思います。
そしてロボット掃除機といえば、数多くのメーカーから発売されているので競合製品も多数存在する激戦区の商品です。
その中でも安価なロボット掃除機はどんな掃除の仕方をしてくれるのか?
この疑問について考えてみたいと思います。
今回使用するロボット掃除機は、モバイルバッテリーで有名なANKER(アンカー)社のEufy(ユーフィー)を使って検証してみました。
Eufy RoboVac 15Cを使って掃除方法を検証する
検証に使ったのはANKER(アンカー)社のEufy(ユーフィー)RoboVac 15Cを購入して検証してみました。
モデル末期なのか、とても安く購入することができました。
Eufy(ユーフィー)シリーズにも高性能モデルが存在しており、部屋の形状を認識しながらお掃除マップを作るという機能を搭載したモデルも存在します。
しかし今回の検証ではそのような高機能は不要です。
とにかく安く買うことができるモデルに焦点を当て、安価なロボット掃除機は使える性能なのかを検証します。
とはいえ、利便性が犠牲にされてはハイテク家電の意味がありませんので、スマホ連携機能を搭載したモデルを選定。
それがEufy RoboVac 15Cです。
購入してからの生活に変化は?
ユーフィーが来たことで、生活に変化があったのか?
購入を検討されている方は一番気になるポイントだと思います。
結論から言えば、「掃除の頻度が少し下がってラクになる」という評価になります。
ロボット掃除機があるから掃除をしなくても良いというレベルの製品ではありませんが、定期的に巡回させておくと効果は目に見えて違います。
当初に自分が想像していたよりも上手に掃除をこなしてくれているようです。
仕事に行く前にホコリを見つけて急に掃除がしたくなる・・
こんな状況でもユーフィーを稼働させるだけで安心感は出てくるのが良いところですね。
外出先からのリモート操作でも稼働させられますから、仕事中にポチッとしておくだけでお掃除してくれているのも優越感を感じます。
お掃除の精度は完璧ではありませんが、子供にお掃除のお手伝いを頼む感覚に近いです。
帰ってきて部屋がキレイになっていたらユーフィーを褒めてあげたくなります。
完璧ではない分、どこか愛嬌を感じさせる製品です。
位置づけとしては「癒やし系便利家電」という言葉が当てはまりそうです。
廉価モデルはどんな方法で掃除をしてくれるのか?
さっそく届いたユーフィーを使って検証。
現物を確認しながら搭載している機能を確認していきます。
まずお掃除モードについて説明していきたいと思います。
スマートフォンのアプリ画面の下側のアイコンがお掃除モードですが、左から順に4つのモードがありますので説明していきます。
おまかせ「自動モード」
自動でお掃除をしてくれる通常お掃除モードです。
部屋の掃除が完了するか、バッテリー残量が少なくなるまで掃除を続けてくれますが、他の掃除モードも使いながら掃除をしてくれるとのこと。
じつは完了するのを見届けたことがありませんので、完了条件については不明です・・。
通常はこのモードを選択します。
自宅の廊下を「自動モード」で掃除した軌跡はこのようになりました。
ランダムに移動しているのかと思っていましたが、ときどきモードを切り替えながら掃除しているように見えます。
直線移動してから壁を認識すると方向転換する。
壁に当たってしまったら時計回りにやや弧を描くように回避。
回避を何回か繰り返したら壁と判断し、壁際を移動。
行動パターンとしてはこんな感じでした。
それほど広くない空間であれば、それなりにキレイになるんじゃないかと思います。
「クイックモード」
狭い部屋の掃除に最適な30分間掃除をしてくれるモードです。
30分過ぎると充電に戻るため、狭い部屋を掃除するときに使用することで時間と電力を節約することができます。
軌跡は記録しませんでしたが、「自動モード」の動きと同じようです。
ユーフィーはバッテリー駆動時間がかなり長く、公称値で100分も稼働しつづけます。
狭い空間を掃除するときは「クイックモード」を選んでおきましょう。
「スポットモード」
ユーフィーの場所から渦巻き状に円を描きながら掃除をしてくれるモード。
円をどんどん大きくしていきますので、特定の場所を集中的に掃除するときに最適なモードです。
ユーフィーの掃除の仕方を確認しつつ、集中的に掃除をして欲しい時に選択するモードといった使い方でしょう。
まさにピンポイントといった動きで、ユーフィーはひたすら回り続けました。
このモードを使うには希望の場所までユーフィーを移動させる必要がありますね。
なかなか使いどころの難しいモードではありますが、狙った場所にホコリは残しませんでした。
「エッジモード」
部屋の隅を伝いながら掃除をしてくれる壁伝いモードです。
ユーフィーが壁に沿って移動してくれるので、複数の部屋を回りながら掃除をすることができます。
しかし壁伝いでの行動なので、部屋の中央部分は掃除されずぽっかりと空いてしまいます。
部屋の隅にたまりやすいホコリの除去に役立つモードです。
ドアを開放しておけば複数の部屋を移動させる事ができますので、かなり広範囲に移動させることができます。
我が家では希望の部屋に到達したら「自動モード」に切り替える使い方をしています。
「マニュアルモード」
リモコンでユーフィーを操作することができます。
ラジコンの感覚で掃除をすることができ、掃除して欲しいところへユーフィーを移動させる事ができます。が、レスポンスはイマイチなので焦れったいですね。
なので自分でユーフィーを持って行ったほうが手っ取り早いです。
正しい使い方ではありませんが、マニュアルモードは猫と遊ぶときに楽しめます。
充電ステーションへの帰還は成功率が高い!
ロボット掃除機が一番重視しなければいけない「充電ステーションへの帰還」について。
かなりの精度で充電ステーションに帰還することが可能でした。
しかし別の部屋からの移動の場合、その部屋を脱出するのにトライ&エラーを繰り返しますので、バッテリー残量との勝負になります。
掃除の途中に手動で充電を選択した場合は問題なく帰還することができました。
「自動モード」の時にどれくらいのバッテリー残量で帰還モードに入るかによりますが、バッテリーが劣化してくると帰還率は低下する可能性があります。
どうやって掃除をしているのか
ユーフィーの本体にはいくつかのセンサーを搭載しています。
まず階段から落ちたりしないように、本体の前方下部に落下防止センサーが搭載されています。
大きな段差を検知した場合は避けて動きますので安心です。
移動に使用するセンサーには障害物を検知するセンサーと、壁に接触したときに反応するセンサー(スイッチ)の二種類が搭載されているようです。
前方に障害物があった場合は、明らかに避けるように行動します。
ユーフィーは作動モードによって色々な動きをしますが、基本的な行動パターンはやや右側に弧を描くような軌跡で動いていきます。
やがて障害物や壁に当たるのですが、接触を検知した場合は後退したのちに左へ旋回、また弧を描くような前進を開始します。
そうやって部屋の中を反時計回りで巡回する動きをするわけです。
ある程度接触を繰り返すと、とつぜん壁際をまっすぐに進むように移動します。
見事に壁際を進みますので、移動経路をある程度マッピングしているように感じますね。
Eufy RoboVac 15Cの評価
良かった点
人間が掃除機をかけるよりもムダが多いのは事実ですが、疲れ知らずのユーフィーは行動回数で掃除をこなします。
「四角い部屋を丸く掃く」そんな表現がピッタリではありますが、自分の知らないところで掃除をしてくれているのはやはり嬉しいものです。
行き届かないところは自分がフォローするといった使い方をするのがベストでしょう。
吸引力は思っていたより強力でした。
段階的に吸引力を変化させることができるので、作動中の音はかなり静かです。
ユーフィーの通った後にゴミが残ることはありませんので、バッテリー駆動のロボット掃除機であることを考慮すると十二分といった評価になります。
また走行性能もかなり優秀で、段差を乗り越える能力はかなりのものです。
ふすまの溝やドアの段差は余裕で乗り越えられますし、ラグやじゅうたんの上でも乗り越えて行くだけの走破性がありました。
パワフルすぎてスリム体重計の上に乗り上げてしまって動けなくなっているときも・・。
Eufy RoboVac 15Cにはスマートフォン連動機能がありますので、出先からでもスマートフォンで掃除の指示をすることができるのは便利です。
家に帰ってきたらユーフィーの吸い残しを自分がすることになりますが、部屋全体ではありませんからラクラクです。
お手入れも簡単です。
ユーフィーは本体後部にダストボックスを備えていますが、これを取外して中のゴミを捨ててフィルターに貼り付いたゴミを取り除きます。
私はティッシュ等で取り除いていますが、汚れが目立ってきたら洗浄が必要になります。
バッテリー駆動時間が長く、今のところ電池切れになっていることはありません。
さすがはモバイルバッテリーのAnkerといえる長所ですが、年数が経過したときのバッテリー容量低下がどれくらいかは気になるところです。
悪かった点
本体前部に装備されているロータリーブラシが脱落してしまうことですね。
ロータリーブラシは本体前部の左右に配置されていますが、ラグなどを乗り越えるときにロータリーブラシが取れてしまうのです。
わざとハズレやすくすることで、破損を防止していることは理解出来るのですが・・
ロータリーブラシがないと、壁際に沿って移動するときや前進しているときの集塵性能がかなり落ちるのですが、脱落したブラシを探すのは面倒なので、今は使用していません。
充電ステーション付近は近寄らない設定になっているのか、充電ステーション周辺を避けて掃除をします。
オートモードの時が顕著で、リモコン操作で意図的に方向を決めても同様の動きをしますので、なにか制限を設けている感じです。
廊下の途中など、充電ステーションの設置場所によって、その先にユーフィーがたどり着けない可能性があります。
コストパフォーマンス
最後に「ANKER Eufy RoboVac15C」のコストパフォーマンスについて。
2万円で購入できるロボット掃除機としては使えると思いました。
マッピング機能を持っていないので手当たり次第に掃除をしていく仕組みですが、その行動パターンはよく考えられています。
トライ&エラーの繰り返しで前に進んでいくのですが、その過程で自分の周辺状況くらいは認識できているのかなと感じます。
何回も壁に引っかかっていたのに、突然壁際ギリギリをまっすぐに疾走していったときは驚きました。
実際に使用してみて感じたことですが、ロボット掃除機の弱点は電源コードや小物です。
家の中にある電化製品の電源コードを巻き込んでしまったり、置いてあった小物に乗り上げてしまったりと、エラーのほとんどは環境によって発生する問題です。
こればかりは高級機でも回避できない問題だと思います。
相手が人間でもロボットでも、掃除をしやすいように部屋を片付けておくことが必要なのでした。
一番重要な「自分の時間をつかわずに掃除ができる」という面に関しては合格点。
ユーフィーは十分に目的を達成することができる製品だと感じています。
「ANKER Eufy RoboVac 15C」は2万円で購入できることがこの評価となりました。
もっとキレイに!を求めるならマッピング対応モデル
この記事を読んで、もっとキレイに掃除をして欲しいと感じたあなたには「マッピング機能」を搭載したモデルがオススメです。
値段は5万円にあがりますが、レーザーをつかった空間認識能力と経路学習機能をつかって部屋の間取りを図面化します。
作成したデータとEufyの走行データをてらしあわせながら掃除をしていきますので、部屋を隅々まで掃除をしてくれるという最上位モデルです。
今回紹介した機種では部屋の真ん中を掃除することは意外に難しいようで、広い部屋を掃除するときには「マッピング機能」は不可欠なんだなと思う結果でもありました。
予算を上乗せできるなら、「Eufy RoboVac X8 Hybrid」を購入すると人間に匹敵する掃除を任せることができるはずです。
最後に。
ロボット掃除機のイメージが無かったANKERの製品でしたが、使ってみると思っていた以上にオススメできる製品だと思いました。
この価格帯でここまで高性能な製品を発売されると、日本のメーカーは苦しいだろうなと感じます。
ふつうなら10万円はする製品ですから、恐ろしいほどにコスパが良いです。
日常生活をちょっとラクしたい。
「ANKER Eufy RoboVac 15C」はそんな需要にしっかり応えてくれる製品でした。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。