楽天モバイルをデュアルSIMで活用するための設定方法をご紹介します。
楽天モバイル回線を安定してつかうために、予備回線を準備しておくと楽天モバイル回線が圏外になってしまった場合にも安心してネットワーク回線を維持できます。
この記事では「日本通信SIM」の290円プランを使った予備回線の設定方法と、Pixel8での設定手順をご紹介します。
一度設定してしまえば2種類の回線を意識すること無く使い続けることができますよ。
楽天モバイルの電波の強さとデュアルSIMのメリット
スマートフォンのモバイルネットワーク通信に使うSIMを複数取付することができるデュアルSIM端末が増えています。
私が使うPixel8も物理SIM(ナノSIM)とeSIMをつかったデュアルSIM対応スマホです。
デュアルSIMを使うメリットは複数の電話番号をスマートフォンにセットできることで、複数のネットワーク通信用回線を確保できます。
楽天モバイルが使用している1.7GHz帯の電波(バンド3)は屋内に弱いという特性があるので通信速度も低下します。
電波の届かないエリアはかなり減ったものの、屋内では通信速度が遅くてモヤモヤするときもあります。
そんな場面に遭遇した時、デュアルSIM設定で安定した回線をバックアップに用意しておくことで”インターネットにつながらない”という最悪な事態を回避することが可能です。
複数のネットワーク回線を確保することは楽天モバイルの回線を利用するときにはとても安心できる材料となります。
通信速度が高速であることや安価な料金プランなど、楽天モバイルにはメリットがたくさんありますので、デュアルSIM設定をうまく使って快適なスマートフォンライフを楽しむことが可能になるはずです。
楽天モバイルの電波についてはこちらでも記事にしていますので、興味があればご覧下さい。
Pixel8での楽天モバイルeSIM設定手順
この記事ではGoogleのPixel8を使った設定手順をご紹介します。
Pixel8は物理SIM(ナノSIM)とeSIMを利用したデュアルSIM端末です。
私が使っていた既存のSIMが物理SIM(ナノSIM)であるため、今回追加する楽天モバイルはeSIMで運用します。
楽天モバイル回線は楽天ハンドで使用していた既存のeSIMを再発行してPixel8に設定しています。
追加するSIMを物理SIM(ナノSIM)で申し込むか、eSIMで申し込むかの判別方法についても説明しておきます。
現在利用中のSIMを確認する方法
今使っているSIMの種類を確認するにはSIMの設定項目で確認することが可能です。
Pixel8であれば「設定」から「ネットワークとインターネット」の項目を開くと「SIM」という項目があります。
「SIM」で現在使用しているSIMの確認ができますが、それぞれアイコンが違います。
下矢印のついたカードのアイコンが表示されていればeSIMです。
SIM確認までの画面遷移は以下の通りです。
設定されているSIMが物理SIM(ナノSIM)であればeSIMを追加。
すでにeSIMが設定されていたら物理SIM(ナノSIM)を追加しましょう。
今回はeSIMを使いますが、物理SIM(ナノSIM)を使って回線の追加も簡単です。
後述のモバイルネットワークでメイン回線を指定することができます。
【参考】eSIM追加の方へ
楽天モバイルサイトのeSIM開通用ページへのリンクです。
【リンク】eSIMの登録先確認・変更方法
(デュアルeSIM利用に関する設定方法お客様サポートページ)
Pixel8はeSIMを複数設定することができる
Pixel8ではeSIMを複数登録することが可能です。
もちろん回線契約も複数必要になるのですが、一度設定しておけば簡単にモバイルネットワークの切替ができます。
注意点としてはeSIMを複数有効にすることはできません。
そのためデュアルSIM運用の場合は必ず物理SIM回線とeSIM回線が必要になります。
この場合はDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)運用になり、どちらの電話番号でも着信が可能になりますが、データ通信として使う回線はどちらか1つです。
非常時のデータ通信回線だけを確保しておきたいのであれば、eSIMを2回線登録でも同じような運用が可能です。
欠点は手動でON設定(切替)が必要な事と、有効にしている回線の電話番号しか着信しませんので切替忘れには注意が必要です。
この場合はDSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)運用になります。
デュアルSIM運用で楽天モバイルの弱点を無くすことができるので、安価に高速な回線を使うことができるようになります。
楽天モバイルでeSIMの再発行手続き
eSIMの再発行はとても簡単です。
今回は楽天モバイルのeSIMを再発行しますが、機種変更するときも同様の手続きで機種変更ができます。
「my楽天モバイル」アプリの「契約プラン」タブを選択し、画面スクロール中ほどに「SIM再発行を申請する」をタップします。
再発行の理由を「その他」に設定し、SIMタイプを「eSIM」に指定してから「再発行を申請する」をタップします。
eSIMの再発行には利用者認証が必要ですが、認証を終えて再発行手続きが完了するとeSIMが再発行されます。
ちなみにeSIMの再発行に手数料はかかりません。
これも楽天モバイルのメリットのひとつです。
Pixel8にeSIMを追加する
新しいeSIMをPixel8に追加する手順は以下の通りです。
eSIMの設定はとても簡単なのですぐに完了します。
- Pixel8の設定メニューから 「ネットワークとインターネット」を選択します。
- 「SIM」を選択し、「+SIMの追加」をタップします。
- 「新しいeSIMをダウンロード」を選択するとQRコードの読取りでカメラが起動します。
- 楽天モバイルから発行されたeSIM用のQRコードを読み取り、SIMの登録を完了させましょう。
デュアルSIM運用のための設定手順【必要アプリ編】
楽天モバイルの回線を使うためにはご利用のスマートフォンに楽天モバイル用の必須アプリを2つインストールする必要があります。
ひとつは楽天モバイルの回線設定を行う「my楽天モバイル」アプリ、
もうひとつは楽天モバイルで無料通話やSMSを利用するための「楽天Link」アプリです。
すべて設定は「my楽天モバイル」から
「my楽天モバイル」では請求に関する情報やプランの変更など、楽天モバイルを使うに当たって重要な設定を変更できるアプリです。
データ使用量などの確認もできますので、利用頻度が高いアプリです。
eSIMの再発行も「my楽天モバイル」アプリから依頼します。
「楽天Link」からの発信は無料!
「楽天Link」アプリは電話帳を備えた(スマホの電話帳とリンクしています)通話やSMSを送信するために使用するアプリです。
楽天モバイルの特徴のひとつに無料通話があります。 無料通話を実現するには「楽天Link」アプリから発信する必要があり、Android標準のアプリを使って通話をすると通話料金が発生します。(通話料金は30秒22円です)
また、楽天モバイル回線ではSMSも「楽天Link」アプリを使用します。 これは不便に感じるかもしれませんが、Pixel8をデュアルSIMで利用する際に使い分けができる便利な機能です。
デュアルSIM運用のための設定手順
【通話とSMS設定編】
楽天モバイル回線と日本通信SIM回線のデュアルSIM運用についてですが、楽天モバイルは前述した「楽天Link」アプリを使って無料通話を実現するため、通常のデュアルSIM運用とはすこし使い勝手が違います。
まずは通常通りデュアルSIMの設定を進めていきます。
pixel8の設定から「ネットワークとインターネット」を選択すると「通話とSMS」の項目が用意されていますが、デュアルSIM運用の場合は通常使用するSIMをこの設定で指定しておきます。
毎回選択にしておけば電話(SMS)の発信前に使用するSIMを選択できますが、楽天モバイルの場合は「楽天Link」アプリを利用して電話やメッセージ(SMS)の利用が必須です。 「楽天Link」アプリを使用しない場合の通話やSMS送信は料金が発生するため、楽天モバイルのSIMを指定して発信する際には注意が必要です。
ここまでの内容で、「通話とSMS」の設定には楽天モバイル以外のSIMを指定しておけば理想的な使い方ができるのでは?と思います。
ところが楽天モバイルの仕様なのか、楽天モバイル以外を優先設定して「楽天Link」から音声発信をすると非通知設定で電話が発信されてしまいます。
当然相手側には電話番号が表示されませんので応答してもらえない可能性があります。
この仕様は楽天モバイルをデュアルSIMで使うときにはかなりの欠点となります。 現状では「楽天Link」からの発信を確実に発番号通知をしたい場合は「通話とSMS」で通話の設定を楽天モバイルに設定しておくしか方法がありません。
発生原因は不明ですが、毎回選択に設定しても「楽天Link」からの発信で番号通知されることもありますから、この問題には何か条件がありそうです。
今後も検証を進めてみたいと思っています。
私の場合は日本通信SIMの回線をメイン回線(いままで利用してきた電話番号)にしているのでこの問題が発生していますが、楽天モバイルの回線をメイン番号でMNP移行しつつ、日本通信SIMの電話回線をサブ回線にすることで回避できるはずです。
【2024年7月追記】
楽天モバイルの電波網が想像していた以上に安定していたため、メインの電話番号をMNPで楽天モバイルに変更しました!
なによりバックアップ用の日本通信SIM回線はデータ通信しかつかわず電話の着信が不要だったからもあり、上記の版合否通知問題とは無縁になりました。
デュアルSIM運用のための設定手順
【モバイルデータ通信編】
次にモバイルデータ通信の設定について説明します。 pixel8の設定ではモバイルデータ通信のSIMは1つしか指定ができませんので、楽天モバイルのSIM設定でモバイルデータ通信ONにします。
まずは楽天モバイルの設定からはじめましょう。
楽天モバイルをメインにデータ通信したいので、「モバイルデータ」はONにします。
次に「優先ネットワークの種類」ですが、 私の住む富山県では5Gのエリアが少ないため、主に4Gを使います。
実際に5G設定で利用していても5Gと4Gの切替が頻繁に発生して電池の消費に影響がありました。
pixel8の推奨は5Gですが、ここでは4G優先に設定しておきます。
「ローミング」「2Gの許可」については不要なのでOFFにしておきました。
楽天モバイルの設定は以上です。
次に日本通信SIMの設定をします。
日本通信SIMの回線は、楽天モバイルの通信が不安定なときに利用します。 ですので「モバイルデータ」はOFFにしておきますが、「モバイルデータを自動的に切替」をONにしておくことで、楽天モバイルの通信ができない時は自動的にモバイルデータを日本通信SIMの回線を利用します。
また、「MMSメッセージ」は日本通信SIMで受信するメッセージのため、これはONに設定します。
日本通信SIMの「ローミング」「2Gの許可」も楽天モバイルと同じくOFFにしています。
以上の設定により、楽天モバイル回線をメインに使用し、通信が不安定な場合は自動的に日本通信SIMのモバイルデータを利用するようになります。
これで通信ができないトラブルを回避しつつ楽天モバイル回線を有効活用することができます。
【2024年7月追記】
5G回線についてですが、楽天モバイルの回線は積極的に5Gを使わなくなった気がします。
これはPixel8のバージョンアップ改善かもしれませんが、4Gと5Gを行ったり来たりして通信が安定しない問題は発生していません。
結果的に電池の消費も改善し、楽天モバイル側の回線は5Gを設定しても問題無さそうです。
利用してわかった楽天モバイル電波網の強さ
デュアルSIM環境で利用している私のpixel8ですが、思っていた以上に楽天モバイルの電波網は強いと感じています。
車で移動しているときも頻繁に基地局が切り替わっているはずですが、1.7GHz帯(バンド3)電波は安定しているためテザリングで動画視聴もラクラクです。
日本通信SIMを使っていた時は回線の速さは実感しませんでしたが、楽天モバイルは独自の基地局をもっているだけあって体感できる速さです。
楽天モバイル回線は屋内でも使えるようになっている
自宅や職場の屋内では電波の弱さを感じますが、サブ回線に切り替わるくらいに通信状態が悪くなることはありません。
職場ではかなり電波が弱かったのですが、楽天モバイルに電波状況を報告(my楽天モバイルから簡単にできる)し続けていたところ、現在ではauの800MHz帯の電波(バンド18)を拾うようになりました。
楽天モバイルは対応が早いですね…。
バックアップの日本通信SIMの回線をどれだけ使っているのか、「ネットワークとインターネット」設定からデータ通信量を確認してみましたが、1MBに満たない22KBでした。
2024年7月現在でも10MBを超えたことがないので、バックアップ回線は不要なんじゃないかとすら思います。
そのため日本通信SIMは1GBのデータ量でも十分で毎月290円の請求のみ。
楽天モバイル側で300ポイント割引き利用しているので実質無料でバックアップ回線を使っています。
大型店舗での楽天モバイル回線
ショッピングセンターや大型店舗で確認してみても電波は安定しています。
自宅屋内で電波が弱くなることを考えると、人が集まりそうな場所には楽天モバイル用に補完基地局が設置されているのでしょう。
しかしすべての場所で問題ないわけではありません。
例えば会員制倉庫コストコの店舗では来客が多く、広く大きい屋内倉庫では通信状態が悪くて通信が安定しませんでした。
楽天モバイルは山間部でも弱さを感じない
懸念しているのは人口密度の低い山間部です。
県をまたぐ移動の場合には少なからず影響が出そうですが、2024年現在でも楽天モバイルとau間でローミングを継続することが発表されていますので、山間部ではauの電波網が頑張ってくれるのではないかと期待しています。
実際使っていて山間部での弱さを感じる事はありませんが、登山を趣味とする人は感じ方が違うと思われます。
楽天モバイルのデュアルSIM運用での課題と解決策
自分の電話番号を楽天モバイルに使う?それともサブで?
楽天モバイルと日本通信SIMをデュアルSIMで運用する設定方法を紹介しましたが、楽天モバイルでの音声通話で番号通知がうまく機能しないことがあります。
この問題を回避するためには、メインで使用したい電話番号を楽天モバイルに設定するか、サブ回線の日本通信SIMに設定するかで違いが出ます。
サブ回線はモバイルデータ通信が上手くいかないときに利用する回線と考えると、電話番号は今まで使ってきた電話番号でなくても問題ありません。
であれば、今まで使ってきた電話番号をMNPで楽天モバイルに移行し、日本通信SIMの290円プランで新しい番号を申請する方法が考えられます。
この方法で「通話とSMS」の設定で通話を楽天モバイルに指定しておけば、今まで使ってきた電話番号で「楽天Link」の無料通話を利用できます。
楽天モバイルの回線を契約する際には、番号通知の問題を回避するために現在の回線を楽天モバイルへMNPすることがおすすめと言えるでしょう。
またLINEなどの電話番号と関連付けされたサービスを利用する場合、端末には1つのアプリしかインストール・起動できない点に注意が必要です。
Pixel8にはアプリのクローン機能がないため(代替としてIslandアプリを使用する方法があります)、デュアルSIM運用でLINEアカウントを2つ運用するときは運用がやや複雑になります。
そのためサブ回線に新規電話番号を使うことでトラブルを避けることができるはずです。
(私の場合はサブ回線でLINEを使用していなかったので問題はありませんでした。)
サブ回線に切り替わってから楽天モバイルが圏外になる問題
Pixel8固有の問題である可能性が高いですが、サブ回線に自動的に切り替わってからメイン回線の楽天モバイルが圏外になる不具合があります。
この現象は楽天モバイル以外でも発生する問題かもしれません。
この不具合は「モバイルデータを自動的に切替」が動作した時に発生し、メイン回線である楽天モバイルのエリアに戻ってもアンテナピクトが「!マーク」で圏外表示のまま通信ができなくなります。
サブ回線のデータ通信をオフにしても復帰せず、スマホの再起動で通常復帰しました。
Pixel8でデュアルSIM運用をしている時、サブ回線に切り替わったままになっているときは再起動をお試し下さい。
まだまだ検証中ですが、デュアルSIM運用は楽天モバイルでスマートフォンを利用する方にとって最適な運用方法です。
バックアップ回線を確保しつつ、楽天モバイル回線を最大限有効活用してスマートフォンライフを楽しみましょう。
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